山水画の世界 中国 桂林へ-川下り編  20090227-0302

 2009年年明け早々からずっと行きたいと思っていた場所があった。中国の桂林だ。
朝霧の川面をゆっくりとすべるように進む筏、背景にはまるで水墨画のようなでこぼことした山々、中国楽器のBGMがもっとも当てはまりそうな景色が目に浮かぶ。意外だが、未だ世界遺産の候補にはなっているが、正式には登録されていないらしい。日本の石見銀山や高野山と比較しても、世界的に圧倒的に知名度もあり、観光客の多い「桂林」が登録されるのは時間の問題だろう。
 1月はじめから、妻の誕生日である2月にお祝い代わりに旅行を提案しようと考えていた。もちろん本人の希望は聞いたが、あまり希望はないらしい、私に任せると言う。そこで私の行きたい場所をすべてピックアップし、予算と相談しながら最終的に決まった場所が中国の「桂林」であった。
 数年前から、大阪発の飛行機便の乗り継ぎが良くなり、その日のうちに桂林に着けるようになったという。緯度的にも沖縄よりもずっと南に位置し、暖かいことが期待できる。寒い日本を脱出だ
 ある中国旅行専門の旅行会社で桂林3泊4日のツアーを申し込んだ。毎年11月から2月はオフシーズンということで値段も少し安くなる。息子風雅も連れて行かなければならないので、できるだけ安いほうが良い。今回は現地完全フリーなので、現地での情報を事前にネットや現地の人にメールなんかして聞いていった。一週間前までは、晴れ間も多く気温も20℃をこしていたというのに、我々の行く4日間は天気も悪く気温も10℃をきるほどの寒い予定だと言う。うーショック。暖かいと歩き回るのも苦にならないので、自分で現地の公共手段を乗り継いで、さまざまな場所に行く予定をしていたが、この寒さとなれば、私一人なら何とかなっても、妻と子どもは耐えられないかも知れない・・・。そして、迷った末、出発当日の関西空港待合ロビーで、事前に調査していた中国の現地ツアー会社に電話を入れた。会社名は「ふれあい中国」社。ラッキーなことに日本語が話せる担当者が出て、本日夜にホテルに入ることと、目的の現地ツアー内容を依頼した。内容的には、り江下り+陽朔観光+高田郷観光+印象劉三姐ショー の全ルートの交通費、食事費用込みで大人一人\9700 だ。正直同内容を自分で現地で手配すれば、半額程にはなるかもしれないが、今回は時間の有効活用を優先した。
 そして、関西空港を午後4時に出発し、途中巨大な空港 広州を経由し、夜の10時過ぎに無事、桂林市内の伏波山大酒店に到着した。辺りは真っ暗で何も見えない。ホテルのチェックインと同時に、関空で予約した現地ガイドの人がホテルに現れ、明日のガイドの案内をしてくれた。とても感じの良い印象であった。1日目はとにかく移動だけで終わったが、妻と息子をホテルに残し、一人で少し町中を散策した。町中まで行くと明かりは多かったが、すでに11時過ぎ。気温も寒いので、早々に引き上げ、明日のために体を休ませることにした。 
 朝8時半過ぎにホテルのロビーに行くと約束どおりガイドの女性が現れた。名前は「キョウ」さん。見た目二十歳過ぎで日本語もぺらぺらでとてもかわいらしい女性だ。運転手と二人が本日我々親子三人のためにガイドをしてくれると言う。外の天気はあいにくのどんよりとした曇りだ。気温も寒い。ガイドを依頼していて良かったと思った。息子風雅もキョウさんと会うなりすぐに気に入ったようで、おねえちゃん、おねえちゃんと甘えまくっている。
 桂林市内から車で30分ほど郊外に出たところに外国人専用の川下り用港
竹江港がある。ここから豪華客船乗り、約4時間の川くだりの出発だ。例年、この季節は川の水量が少なく川下り距離も制限されるらしいが、今年はラッキーなことに水量も多く全工程が運行可能だと言う。
 客船2階のデッキ席に座り、さぁ期待の山水画の世界へ出発だ。
 

竹江の港

船乗り場には何十隻もの船が停滞している。オンシーズンには、これらが列をなして川くだりをするらしいが、本日は数隻のみの出港だ。

船の最後部では、すでにランチの準備が始まっている。

安く上げようとすれば、こんな船だって利用できる。現地の人たちの交通手段だ

甲板の上では、皆震えながら・・・周りの景色を堪能だ

川くだりの途中にいくつかの村を通り過ぎる。情報では、これらの村を散策するのも面白そうだ。次回は是非訪れたい

途中にぽっかりと大きく開いた洞窟。カルスト地形の桂林には、巨大な鍾乳洞がたくさんあるらしい。ここはその一つ冠岩の入り口だ
1時間ほど川を下ると、想像していた通りの山水画の世界が広がった。寒さも忘れてデッキで写真を撮りつづけた。 予想通り水量も少なく、川の水も透き通っているのですぐそこに川底が見える。しばし、中国音楽が流れているつもりで写真をお楽しみください。

川下り最大のスポットの一つ「
九馬画山」。九匹の馬が走っているように見えるらしい・・・。実際に見るとその大きさに圧倒される。
そして、午後2時前にようやく、川くだりのコールである「陽朔」の町に到着した。ここは川くだりのゴールと言うことで欧米人観光客相手の店がたくさんあり、いわゆるバックパッカー御用達の宿も多い。また、面白い形の山々がすぐちかくに見え、ゆっくりと見て回るのも面白い。
 我々が約60キロの距離を川くだりしている間にチャーターした車は先回りして陽朔の町で待っていてくれた。ガイド頼んでいて良かった・・・つくづく思った。
夜のショーまでしばらく時間があるので、車で更に風景に定評のある
高田郷までドライブだ。車で10分程度の距離でサイクリングする人も多いようだが、この日の寒さはちょっと辛そう。

川くだりのゴール陽朔の町
高田郷は山水画の山々をまた別の角度から楽しむことができる。工農橋の橋に車を停め、しばし散策。ここからの景色もまたすばらしい。橋の下では観光用の筏がいくつも並んで係留されていた。
高田郷をしばらく散策した後、再び陽朔の町に戻り、2時間ほど町中を散策した。そして、夜には川くだりの次に楽しみにしていた「印象劉三姐」のショーが待っている。 
 陽朔散策からは次回に続く・・・
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