湖東三山 秋の絶景 金剛輪寺・西明寺 20091121
ことしは連休が多い。年末の足音が聞こえる11月のこの時期の3連休は日本国民にとってある意味目的が決まっているのではないか。「紅葉狩り」。季節が明確に分かれる日本の国の当たり前の行事だ。南の島では一年中温暖で、一年中色鮮やかな花が咲き乱れる光景もすばらしいが、日本の春・・・新緑 夏・・・彩花 秋・・・紅葉 冬・・・落葉 の移ろいは、日本の文化を独自のものにしてきた根源をなすものである。
この3連休、日本のどのくらいの人が日本の秋を堪能しに外出するのであろうか。すでに関東以北では見ごろが過ぎており、私の住む関西地方は今が丁度見ごろの時期である。天気予報ではあいにく連休二日目からは下り坂だという。よってこの一日目に人手が集中する可能性がある。
関西の紅葉スポットとしては京都の社寺が有名であり、毎年テレビなどでも取り上げられ、夜のライトアップなどイベントも盛りだくさんである。その分観光客の数もものすごく、思うように歩けないことも覚悟しておく必要がある。
一方、私の住む滋賀県にもすばらしい紅葉スポットはたくさんある。京都が有名すぎてそれほど取り上げられないが、そのおかげで人もそれほど多くなく、紅葉自体を存分に堪能することができる。
当初、三連休を利用して遠出しようかとも考えたが、滋賀の秋を見ずして、外に目をやるのはまだ早すぎると判断。渋滞を覚悟して、湖東三山を代表する社寺2つをはしごして回ることにした。
11/21 昼過ぎに家を出発した。天気は曇り。名神高速で湖東を疾走。逆方向の京都方面は予想通り大渋滞だ。
天台宗 金剛輪寺 近江西国第十五番霊所
金剛輪寺のもみじは「血染めの紅葉」と言われ、その真紅の紅葉に彩られた境内は息を呑むほどのみごとさである。初めての訪問で、天気も曇り、正直不安もあったが、その不安はみごとに払拭された。

拝観料500円、参道にはすでに紅葉のトンネルが。みごと。

茶室「水雲閣}
わらぶきの屋根に紅葉のグラデーション

名勝庭園では、縁側に腰掛けて周りの景色をゆっくりと堪能だ。血染めの紅葉と言われるだけはある。

池に浮かぶ落ち葉の色彩も考え抜かれた模様の様
金剛輪寺本堂(国宝)へ続く道。
長い階段坂が続く。その両側には千体地蔵と言われる小さなお地蔵様がカラフルな前掛けをつけて鎮座している。吹き抜ける風に応えて風車も回っていた。
約15分ほどの道のりのその先にはまたまたみごとな紅葉が待ってた。

山門入り口
巨大ぞうりにはたくさんのお金が挟まっていました。

たくさんの観光バスも来ていました
天台宗 西明寺 西国薬師第三十二番霊場
金剛輪寺から車でわずか数分のところに西明寺はある。名神高速道路をまたいで位置するこの寺も、秋のこの季節の紅葉で名高い。
二ケ所目ということで、目も慣れてきた。それでも落ち着いた雰囲気の参道はまた別の趣がある

階段の先に見事な紅葉が。早く見たい・・・気持ちを抑えてゆっくりと足を進めた。

紅葉の赤もいいが、渋い苔の緑もいい感じ
三重の塔にかかる紅葉。
突然空が曇り大粒の雨が降ってきた。山門の下に一時避難。ふと後ろを振り返ると本堂の上に二重の虹が現れていた。めったに見られない二重の虹。なにかいいことがあるかもしれない。

雨に煙る参道もまた趣がある。

千年杉と呼ばれる巨木もあった。
気温約10度の寒い一日、滋賀県を代表する社寺を訪れた。車で行ったが、特に渋滞もなく、また駐車場も無料である。これが京都だとこうはいかない。
人ごみが苦手で、ゆっくりと紅葉を堪能したい方には滋賀の社寺がお勧めである。